火星でLinux

 NASAの火星探査機「パーサヴィアランス(Perseverance) 」に搭載されている小型ヘリコプターの「Ingenuity」は大気の薄い火星で飛んだ初めての人工飛行物体です。それも凄いことなのですが今回は別の視点から。
店長も初めて知ったのですが、このヘリコプターは重量2キロに押さえないと飛べないということで徹底的な軽量化がされています。コンピューターも軽量化しないといけないので一から開発、2015年のスマートフォンの主力チップQualcomm「Snapdragon 8」を使用、OSにはオープンソースの Linux が採用され、フライトソフトウェアフレームワーク「fprime」が使われています。古いチップセットを使ったコンピューターと思われますが、今まで宇宙開発で使われていたチップに比較すると何万倍といっても言う性能です。これと、常に改善されているオープンソースを利用してクリチカルなミッションをこなしているのですからすごいことですよね。

以前に、フライトシュミレーター形式の無人戦闘機の操縦を超小型教育用のコンピューター「Raspberry pi」で成功させたっていう記事を書いたことがあると思いますが、今のスマホ用のチップなどはすごい性能を持っています。二足歩行のロボットもスマホ用のチップを使っているし、実際、チップ製造のメーカーの業績や株価もすごいことになっています。コンピューターオタクにおなじみのNvidiaも立派なCPUメーカーで規模的にはIntelに匹敵する位です。

火星探査でヘリコプターが飛んで、今度は土星でもヘリコプターが飛びそうです。大気の薄い星では、ヘリコプターもローター(回転翼)を大きくし早く回さないといけないとか、重力が大きいと機体が持ち上がらないので、もっとローターを早く回すとか大きくするとか必要です。この前の日本の月探査機(SLIM)に積んでいた、変身型のロボット技術を使えば、軽量化や長いローターのコンパクト収納とか出来そうです。

日本の次期主力ロケットのH3型2号機の打ち上げがこの15日に行われるそうです。前回は失敗しましたが今回はどうでしょうか。このロケットでも小型の探査機なら火星に送れるはずですから、日本独自の実験をしてもいいころなのかも。地球以外の惑星などの土地とか資源とかには「海洋法」が適用されますが、コロンブスの時代と違って簡単な解釈では南極大陸と同じような扱いになるそうです。あくまで、地球人以外の他の星の知的生命体が権利を主張することが無ければですが。それでも、先んずれば人を制す、と言う諺通り先に唾をつけたものが有利です。日本も火星に探査機を送ってもいいんじゃないかな。一度成功したら、他の惑星にもいける可能性がぐっと上がります。当たって砕けろ?かな。

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