AI暴走の恐怖2

 岸田総理大臣の偽動画が流布されています。誰かが喋っている画像のうち、人物だけを岸田総理大臣の顔や姿に置き換えたものです。数年前までは、動画なもってのほか、静止画の顔や身体を差し替えるのがやっとでした。アイコラと言われるものです。今や、映画などで使われているCGなどは実写と見分けがつかないほど精巧な動画になっています。高性能なゲーム機の画像などがあれだけ精密に高速に動き回れるのを見ると、動画の作成など非常に簡単な作業になってきています。

 スマートフォンの宣伝にも、動画でスカーフを消したり景色を差し込んだりできる様子が流れています。CPUの進歩と、加工ソフトウェアーの進歩、特にソフトウェアのライブラリの軽量化で小さな機械でもこういうことが出来るようになってきています。

 上の、岸田総理の偽動画や、有名人のゴシップネタになるような動画もいくらでも作れますし、今の、ウクライナ対ロシア戦争、イスラエル対ハマス戦争などでSNSで流されている動画も、実は昔の戦争の動画のうち国旗の部分だけ、兵隊のヘルメットだけを今のに変えて流すなんてことが行われているようです。その動画で流されている内容が事実だと固く信じて、ピント外れな批判などを口にする、それこそ文化人も含めて多いと思います。

 「見るもの聞くもの皆疑え」と言うと寂しいですが、特殊詐欺なども同じ理屈で相手に信じ込ませて大きな損害につながっています。某戦争でも、人間の盾を利用している方を批判せずに、その盾をものともせずに攻撃を続ける方を批判していますが、これも「人道主義・博愛主義」の考え方だとは思います。しかし日本なら、まず戦場にいる民間人を退避させるでしょうし、いきなり他国へ攻め入って人質を取り、其の人質の開放を餌に自分たちの要求を飲ませようとは思わないと思います、少なくとも国家レベルでは。

 話がそれていますが、ハマスが予想していたイスラエルの反撃が、其の予想を大幅に超えて話し合いにもお応じず、激烈を極めているのは誤算だったでしょう。この反撃が正当かどうかは各国の立場によって意見が分かれるでしょうが、「勝てば官軍」ですから歴史上の評価はこれから書かれます。

 というような危うい世界情勢・社会情勢ですが、それを間違った方向に引っ張るフェイクニュースは本当に憎むべき犯罪です。一度、フェイクを流されると思わぬ人々が見ていて困ることもあります。ユーチューバーが、誹謗中傷を受けた場合にたとえお金がかかっても泣き寝入りせずに犯人を突き止める動きが多くなってきています。当たり前だと思いますし、犯人には罰金刑ではなく懲役刑を課すことを主とするべきでしょう。匿名であることも誹謗中傷が書きやすい原因です。しかし、実際匿名のつもりでも相当ネットワークの仕組みに詳しくないと直ぐに発信元は特定されます。イーロン・マスク氏の「X」は匿名・偽名アカウントを許さない方向ですが、当然です。これに文句を言って、「表現の自由を」とか綺麗事を言っている方もおられますが、どんな意見でも正当なものであれば社会に認知されます。表現の自由の履き違えを考えないといけませんね。

 同じように、匿名をいいことに、人里におりてきている熊の処分についてクレームを入れている方がおられますが、クレームの前に、住所と名前を言ってからクレームを入れたらどうでしょうか。次、熊が捕まったら処分せずに其の方の家に送りつけて飼ってもらうとか、小学生並みのクレームを入れてくる人には小学生並みの反撃でいいのではないかと。送りつけられた家はもちろんご近所も必死になるでしょうが。もう少し、考えてクレームを入れてもらいたいものです。

 こうやって書いているうちにも、動画ニュースは嘘の可能性がある、関係者によりますとのニュースも関係者って誰?になりますし、何を信じたらいいのかってなります。とにかく、AI技術が進めば進むほど、現実と嘘と仮想が混在して判断が難しくなります。気をつけねば。

 

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