Ubuntu(Linux) と Intel と AMD
会社のモニターを 4K(3840×2160) に変えました。ディスプレーを変更したのはいいのですが、実際に今まで使っている Ubuntu(21.04) マシンでは 4K の出力ができないことがわかりました。CPU が Intel i7-3770K (Intel HD Grafics 4000) で調べてみると最大解像度は 1920×1080(1200) まででした。今まではこの解像度でデュアルモニターしてましたので作業性も上がり十分満足していたのですが、これではせっかくの 4K が生かせません。解像度を上げる方法の一つにグラフィックボード増設がありますが、半導体不足と転売屋やマイニングマニアの買い占めで手に入りにくいかとんでもなく高価ですので馬鹿らしくて選択できません。
考えていても仕方ないので、手持ちの AMD Ryzen 5 2400G という CPU を使ったマシンを流用することにしました。以前にご紹介しているものですが、ディスク収納の関係で、今までのIntelマシンのAntecのケース(ANTEC コンパクトキューブ型 PCケース Performance One Series P50)に組み付け直しました。
さて、ここで問題になりそうな点は、CPUをIntelからAMDに変更してしまうので、OSの再インストールをしないといけない可能性がある点です。そうなるとメールやチャットのデータはもちろん、小規模ながら開発環境もあるのですべて設定しなおさないといけないからです。Windows10の環境なら、CPUはもちろんチップセットやメモリーの規格も全く変わってしまうので間違いなく再インストール・再アクティベーションになります。
今回は Ubuntu なので多少のトラブルは仕方ないにしてもそのまま動けばいいなと祈りながら、今までのシステムやアプリケーションや設定ファイルの入った SSD をそのまま繋ぎ、データ用の HDD もそのままつないで起動してみました。特にデータ用の HDD はそのままではマウントできず認識できないだろうとあきらめ気味で電源ONしました。
マザーボードの初期化もしていないからでしょうが、電源入れても約20秒くらい画面出力もなく押し黙ったままです。ダメかなと思い始めたころ、画面に「Ubuntu」と表示されて以降はいつも通り、それこそ何事もなかったように起動してきました。起動後、一度OSのアップデートをかけて強制的に再起動させましたが、普通に起動してきました。ネットワークも問題なく、すぐに使用できる状態でした。各アプリケーションやLazarusなどのコンパイル系も動いています。ただ一つだけ、Oracle VirtualBox 内の仮想マシンではネットワークカードの名前が変わっているので再設定(ボタン押すだけ)をしないといけなかったですが、トラブルのうちに入らないですよね。
Linux は最小限のカーネルをどのアーキテクチャーのCPU命令セットでもほぼ同じものを使い、その差異をドライバーをロードすることで吸収するという方法をとっています。今回はそのやり方の恩恵を受けられたということです。
ということで、PC の心臓に当たるCPUをメーカ違いのIntelからAMDに変更してもLinux系のディストリビューションならほとんど問題ないようですというお話でした。どうしてもマルチメディア系は Windows10 か MAC に頼らないといけいないようにいわれていますが、実は世界中のマルチメディア機器の大半が Linux やその亜流で動いているのですから、ディスクトップ系でも少し設定すれば全く問題ありません。CPU を変更しても問題なく動くなんて、これ以上のデータ安全保証はありません。