有人宇宙船

 中国が10月17日に有人宇宙船「神舟11号」を打ち上げました。もちろん人間が2人乗っていました。9月に打ち上げた宇宙実験室「天宮2号」とドッキングして約30日間各種実験をするようです。
20161102-1 打ち上げの様子を見ていると、一段目のロケットはロシアのソユーズに似ているように感じます。液体燃料を使うロケットエンジンをロシアから輸入してそれを使っているようです。ICBMを持っているので自力開発の技術がないはずはありません。技術がなくて買っているのではなく、経済合理性から自主開発より時間が稼げるからでしょう。衛星をミサイルで撃ち落とす実験とかもしていたようですし、宇宙軍とかも作っているので宇宙の軍事利用を目指しているのは間違いありません。国連で採択発効されている宇宙平和利用を規定した「宇宙法」にも反しているようですあが、中国にとっては紙切れかもしれません。常任理事国ですから自分たちの作った条約を無視しては。。と言う話はおいておきますが。

20161102-0 さて、日本は一体この有人宇宙開発をどうしたいのかあらためて考えないといけないです。自前で有人宇宙船を打ち上げられないということは、思い通りの実験も出来ず、お金をつぎ込んでも肝心なところは何もわからない、教えてもらえないと言うことです。「百聞は一見にしかず」という諺をもう一度勉強し直さないといけません。
 「命をなくす危険があるから」という事をよく聞きますが、日本人が危険に晒されるのが嫌なら、NASAにお願いしてISSに宇宙飛行士を送り込んで実験するなどもってのほかです。日本には打ち上げ成功率の非常高いロケットがあります。人間が乗る部分は帰還時の熱対策などいくつかクリアーしないと行けないところがありますが、素材産業が優れている我が国としては大きな障害に成らないはずです。スラスターによる宇宙空間での制御も相当実績があるので障害ではないでしょう。
 最も足らないのは経験です。安全に打ち上げ帰還させるには、ハードだけでは不十分なことは「アポロ13号」の映画だけを見ても明白です。ソフト部分を完璧にするには実際に打ち上げて経験を積んでいくしかありません。この当たり前のことがなかなか出来ないのが日本人の考え方なのか、店長には不思議でなりません。日本人が日本人の手で宇宙に飛び出せず、ISSでも自前の実験室での成果も自力で日本に持ち帰ることが出来ない、この状態ではいまの宇宙関連の予算は無駄です。少なくとも費用に見合う効果は得られないでしょう。日本人って、だれも宇宙に行きたくないし、月とか火星とかに行きたくないんでしょうか。命がかかっているからというなら、薬や治療法の認可をもっと早くしないと助かる命も助からないのにそれは受忍できるのでしょうか。車の運転など確実に命がかかっているのに何故する?
 矛盾だらけの論理の中で、宇宙のパイオニアと成るチャンスを逃がしてどうする、道具類は全て揃っているのに何を考えていると思います。もっと、前に進みましょうよ。何事にも100%を求めるって言いますが、それは無理というものです。アメリカのパイオニア精神、中国の中華思想、どちらも犠牲を厭わず前進することが要求されています。日本も頑張りたい。

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