旧車再生

 以前にもお話しましたが、欧米では古い車を手入れしながら長く乗るという文化があります。ディスカバリー・チャンネルやナショナルジオグラフィックTVで放送されている「名車再生!クラシックカー・ディーラーズ」「クラシックカーコレクション」「オーバーホール 改造車の世界」「ファスト&ラウド」「カーSOS 甦れ!思い出の名車」など、DIYでの簡単な補修から工場持ち込みで本格的なレストアや改造まで興味深い番組が放送されています。
 これらの番組は、英国と米国が舞台です。英国は比較的厳密な車検制度があって、車高や幅、排ガスや音量など厳しく規制されています。規制内容は日本とそう変わらないような感じなのですが、最も違うのが、説明のつかない規制がないということです。昔のフェンダーミラーとドアミラーの規制が最たるもので、視野の問題だからって言ってたのにそれがクリヤーされるとわかるとあれこれ言ってはいましたが「あかんものはあかん!!」というとんでも理論で規制されていました。未だに尾を引いている280馬力規制とか軽四輪の64馬力規制など自主規制という官主導規制があって自動車文化をスポイルしています。現在でも、たとえ20年前の純正品より性能や品質が良くても車検では「形式が変わる、改造に当たる」等など言われて、結局古い車は二束三文で捨てられるだけ、それらを海外の業者が買っていって完全整備して現役として走らせています。
 馬車文化が長かった欧米ではその延長として車文化が色濃く残っているんでしょう。しかし、あまりに理屈の通らない規制ばかりでは「自動運転」等の技術開発に大きく遅れを取る可能性が出てきたし、旧車文化を大事にしていかないと100年以上も続く日本の自動車の歴史も何も残らない、何よりも立派に動く車をただただ部品が無いから部品が純正でないからと捨ててしまう愚を犯してはいけないことに気がついたようです。日本の純正外のパーツを作っているメーカーは国内では改造部品屋さんみたいに思われていますが、ベンツのAMG、BMWのMスポーツなども元々は改造屋さんです。HKSなどもっと注目されていいいのではないでしょうか。

 なぜこんな話になっているかと言うと、マツダが初代ロードスター(NA)の純正部品を供給することになったって言うのは以前にお話しましたが、本田が初代NSXの部品を供給し工場のベンチで新車と同じ性能にまで復活させる事業を開始することになった、ベンツ日本が旧車を妥当な価格で新車に近い状態に持っていき長く乗ってもらうことにしたそうです。これらをみていても、まだまだメーカーの純正部品を使うとかのあまり意味のない規制を緩める気がない国土交通省?が渋々納得出来る範囲でしか出来ないことも多そうですが、長く車に乗るという機運は広がっているようです。日本の車は耐久性が高いって国上げて自慢していますが、国内ではその耐久性を試す間もなく廃車にしてしまわざるを得ないような規制の仕方ってちょっとおかしいですね。外国の要人にレンジローバーよりランドクルーザーが愛されている理由、スイフトがなぜ先進国でも発展途上国でも大人気なのか、やはり官庁は考えないといけないし、少なくとも理由のない意地だけの規制はやめて若者から年寄りまでそれこそ理科系の知識を吸収又は発揮しながらいじくり回すことを許すべきですね。おっと、何でもOKの野放しにしろっていう話ではないので念の為。(EVなんか改造ですぐに作れそうな気がします)

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