BEV(Battery Electric Vehicle)試乗
店長です。
真っ赤な「スバル・レヴォーグ2.0STIスポーツアイサイト」に乗っていますと記事にしてから4年半経ちました。年間17,000km程度走るので、このまま5年まで行くと80,000kmちょっとになります。次の車検を受けるとなると別途契約した保証なども切れて、保守部品も含めてそれなりの費用がかかりますし、6年目となるその後の一年で前の車と同様「過走行(距離)」になり下取り価格がほとんどつかなくなります。
そういうことで、買い替えを検討しようということで車種の選別を開始しました。せっかく買い換えるのですから、環境に配慮して「電動車 EV」にしてみようと思いました。EVにも色々種類があります。PHEV(プラグインハイブリット)、FCV(燃料電池式EV)、BEV(バッテリー式EV)が主なものです。構造的、燃料補給時間の合理性などを考えたらFCVが最も正しいと信じていますが、如何せん燃料スタンドが少なすぎて実用になりません。水素燃料スタンドまで自宅からも職場からも小一時間かかるようでは萎えてしまいます。自前の化石燃料を持たない我が国なら、電気(再生可能型でOK、地熱発電でも)と水(最悪海水でも)があれば作り出せる水素なのに、それを普及させようとしない政治家の皆さんは燃料安全保障について全く何も考えていないのはどういうこと、という理屈は横において、とにかく現状では実用になりません。
車種の決定、特に内燃機関車とは全く違うものですから、試乗しておかないと多分後悔します。以前に「三菱 i-Miev」に試乗したことがありました。チュロチョロ走り回るプラモデルがそのまま大きくなった様な印象で、走行感覚も軽四とは思えないダッシュが効いて面白かった記憶があります。
そういうことで、自分の中で候補に上げていた、「日産アリア」と「スバルソルテラ」の2車種の試乗を申し込みました。スバルの方はまだ試乗車がないと言う返事でしたが、日産の方は「ベースグレードの B6 (66kWh 2WD) ならありますので乗ってみてください」と販売店の方が持ってきてくれたので、その方と一緒に4時間ほどドライブをしてみました。
まず、コースとして往路は普段の通勤コースを中心に走りました。片道30km弱あって、制限速度60kmのほぼ3車線の一般道と国道1号線のバイパス(制限速度60km)あわせて15kmと上り勾配がきつい坂道が続く一般国道を15km程です。前半の15kmでは例のごとく3車線の右側を我が物顔で緩慢加速する大型トラックが多くて、それを嫌がった中型トラックが真ん中車線をもたもた走っていて、一番左端の車線が最も早いという典型的なモラル欠如の流れです。
試乗とは関係ないですが、右側車線の緩慢トラックや真ん中車線のもたもた運転車をなんとかしないと、結局無理な追い越しやイライラした運転手のあおり運転はなくなりませんね。警察の皆さんのご苦労はわかりますが、取締対象が根本的に間違っていて、事故の原因作りをしている車を排除しないと結局日頃のご努力も意味をなさないというのはいいすぎでしょうか。なぜこんなこと書いているかというと、今乗っているレヴォーグは超高出力で加速がすごくいいタイプです。だから、危ない場面やもたもたした車の追い越しなど簡単にかつ安全にできます。店長が加速の良い車を選ぶのは、上のようなシチュエーションに遭遇することが多いからです。自宅が観光地に近く輸送の要でもある国道のそばなので、いわゆるサンドラや大型トラックが多いからです。気の長い店長でも、、、、待てないモタモタを。
話逸れていますが、この前半15kmでのアリアの走りは不自然さが全くありません。ワンペダルドライブは使わず出来るだけいつもと同じように、アクセルを大きく開いたり閉じたりして流れに乗ったり、時には流れをリードしたりしながら走ってみました。加速は、特に立ち上がりはレヴォーグとほぼ同等です。ハンドリングも極端な急ハンドルしなければ安定していますが、少し後輪サスペンションの落ち着きが無いように感じました。トレーリングアームタイプによくあるようなバタバタ感を少し感じます。多分、サスペンション特にダンパーの伸び側が渋いのと省エネタイヤの硬さのためでしょう。レヴォーグは4WDの効果もあり、このあたりの挙動がすごく安定しているので余計感じるのかもしれません。店長、このサスペンションの動きによる姿勢変化に比較的敏感なので普通ならなんとも無いと言われる方のほうが多いでしょう。
次に、2kmほど続く上り坂(軽四なら速度維持がやや難しいくらいの勾配)を制限速度(50km)プラスで登りました。坂の途中での加速とか減速なども全く問題なく、特に追い越しのための加速の余裕は大したものです。レヴォーグなら「ドッカンターボ」を効かせて楽しめるところなのですが、このアリアではスムーズに加速して面白くはありません。
その後は、やや上り勾配のトンネル内を走った後、フラットな信号の少ない片側1車線の国道を10kmほど走りました。自宅へ入る交差点は曲がらず直進して大きな公園や道がある京都の方へ入り込んでドライブを楽しみました。
この車は、ドライブポジションが自然です。SUVなので目の位置がレヴォーグより30cmくらい高いところになるし、当然座席の位置も高いところにあるので不安定になりそうなものですが、重たいバッテリーを床下に積んでいて重心がものすごく低いので全く不自然ではありませんでした。車幅が広いので大丈夫ですかと聞かれましたが、以前セルシオとかマジェスタとかに乗っていたので、違和感はありませんでした。
さて、帰り道は第2阪奈道路と阪神高速を使って、高速運転をしてみました。高速と言っても制限速度60kmですので無茶なことは出来ません。運転支援のプロパイロットのテストをしてみたかったのです。Ver1は普通に使えますが、ハンズフリーできるVer2にはなかなか入らず、結局Ver2でハンズフリー出来たのは1分もありませんでした。本格的な高速なら使えるかもしれませんが、今回の試乗では試すことが出来ませんでしたので評価無しです。
今回お借りした「日産アリア」は非常によく出来た車でした。まず「静か」、「十分な動力性能」、「低重心ゆえの高質なハンドリング」は秀逸と言っていいと思います。動力性能のうちピックアップの良さと、低重心によるハンドリングの良さは、緊急時の回避性能が非常に高い安全な車だとも言えます。気に入りました。
今度、スバルのソルテラを試乗してみれば、上の特徴はEVの特徴なのか、日産の特徴なのかがわかります。ただ、ソルテラの試乗直前に「車輪が外れる可能性あるのでリコール」となってしまって試乗は中止、すぐに比較はできなさそうです。残念ですが、じっくり待って比較する価値はありそうです。