国産戦闘機の輸出

 イギリス・イタリヤ・日本の三か国で共同開発する予定の戦闘機を、第三国に輸出できるかどうかの論議が、野党はおろか、自民・公明の与党内でも意見が分かれていました。一応、あれこれ条件を付けて承認されたようではありますが。

 殺傷能力のある武器を輸出しては「平和国家」の日本の趣旨に反し名折れであると言うのが議論の中心のように思います。輸出することで、同盟国内で武器類の共通化が進み、戦闘になった場合、部品や修理基地や技術者の共有化ができて有利に戦えるのは理の当然と言う点に目がいかないようです。今回の競争開発に当たって、イギリス・イタリア両国が輸出できることを条件にしているのは、安全保障上当然だと思いますし、日米安保条約を結んでいるアメリカが、この共同開発を認めているのも、国民を犠牲にしてまで武器輸出を拒み、平和国家のふりをしたい政治家を淘汰するためだと感じています。

 先日、石垣島に行ったときに海上保安庁の基地を少し見ましたが、たくさんの巡視艇を見ましたが、装備など見ても小型の戦艦ですし、これでも中国船の領海侵犯を防げないようです。中国詣でして書記長に媚びを売り、ほめてもらってワンワン言っている政治家も多いようですが、平和国家を維持するのにガンジーの思想では、多くの犠牲者が出てきてしまいます。

 平和国家という理念は素晴らしいことですが、だからと言って、国防の足を引っ張ることが正しいとは思えません。中国もロシアも現実に侵略してきているし、文句言ったら核攻撃するといってるのに、へらへら平和論議をしている神経がわかりません。核兵器落とされてから、はっと気が付いて、戦車増産、戦闘機作るぞ~、ミサイルなんで国産で作れへんね間に合わんやんか、って言うんでしょうね。少し意味が違いますが、国破れて山河ありです。大丈夫でしょうか、攻防に反対の皆さん。これだけは、判断の失敗は許されません。

 国産の戦闘機は、現行の三菱重工製F-2があります。残念ながら開発段階で国産エンジンの性能があげられず、アメリカ製のジェットエンジンを積んでいます。この戦闘機は、レーダーや飛行性能を見ても十分国際レベルですが、やはり政治的な問題で輸出ができないので数が作れず超割高です。エンジンをアメリカに抑えられているのも問題です。
 IHIがすごく良いエンジンを開発したというニュースは数年前に発表されていますし、ステルス関連の技術もアメリカに輸出するほどの技術力です。これだけ基礎技術があるのに国産で比較的安価に出来るのに、わざわざ高額かつアメリカ議会の承認がいるような戦闘機をありがたがって買うって、どんな罰ゲームなんでしょう。日本の国民全員が命を懸けて受ける罰ゲームです。

 先日、H-3ロケットがやっと打ちあがり、H-2型の固体燃料ブースターを利用したイプシロンロットも何とか失敗の原因がわかってテストが再開されそうです。また、民間のロケットも失敗はしましたが必ず打ち上げるでしょう。海外から見れば、確実にICBMと地対空ミサイル、または短距離弾道ミサイルです。これも、国がもっと後押しして、すぐに武器に転用する基礎技術はあるということを内外に知らせるべきです。頑張ってもらいたいです。

 そうだ、北朝鮮のミサイルの部品を調べたら、主要部分に日本製のダイオード類など部品が使用されていたそうです。もちろん、ロシア製でもウクライナ製でも使われています。トヨタのランドクルーザーとかハイラックスなどは中東で機関砲を積んで走り回って、殺傷能力のある武器として使われています。これらの部品メーカーや自動車メーカーに輸出を禁止または制限しないのでしょうか。これらは直接武器ではないので、と言う理屈らしいですが詭弁です。なんとか、平和を維持するためには最低限、自国の判断で増産できる武器を作る能力を維持しないといけないと思います。

 少し過激なお話でしたが、平和を維持したい、国民の命を政治の具にしてほしくない、国民・国土を守れないなら政治家は国を指導する能力がない、国内の理屈を言ってるようでは平和を維持はできないということだけはわかってほしいと思います。

 

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