バックロードホーン組立(2)
組み立ての続きです。
キットとはいえ、20cm用バックロードホーンエンクロージャーの組み立ては相当な体力と根気がないと出来ないです。学生時代に自分で図面を引き21mm厚のベニア板を手鋸で切り10組近くを作って売ってたなんて、体力だけは余っていたんだって自分ながら改めて感心しています。
まず、前日夜、最後に貼り合わせた背面板と補強材ですが、重りのおかげでしっかり接着できています。この板が弱いと、振動が発生する可能性があるので補強材で物理的強度と共振を防ぐ意味で結構重要だと思います。
次は側板にケガイた線に沿って天板を接着します。この天板を基準に内部の仕切り板の位置を決めるので、側板との隙間があかないように、また側板の木口と天板の面がきっちり水平に成るよう(段付きをなくすよう)に気を付け、旗金を使ってしっかり固定します。写真では三角棒のガイドがついていますが、一旦取り外して天板を貼り合わせた後改めて貼り直しています。なんだかこの三角棒は意味がないような気がするので、もう一台の方には付けていません。
天板を固定後しばらく休憩して、接着剤の強度が少し出るのを待ってから前板を取り付けました。色々な雑誌やネットの情報では、接着剤は適量って書いてありますが、「適量」がわからない。今回は「不透明塗装」をする予定なので塗装下地を作るときに接着剤の処理も出来るだろうということで、はみ出ても構わないとたっぷり接着面に塗って旗金などで固定し、はみ出た接着剤は濡れた雑巾で拭き取ると言う方法で対処しました。塗装のときに手間がかかると言っても、このタイプのエンクロージャーは「密閉度」が命なので、まず接着面からの空気漏れを防ぐことが大切だと思います。
それと、旗金の掛け方ですが、写真の様に締めネジを上にするのではなく下にしたほうが扱いやすいと思いました。下向きに余った棒が突き出すより、上に突き出したほうが最初の挟み込み作業がしやすく締め付けも楽なような気がしました。これ、やってみればわかります。もう一つ、締めすぎに注意しないと、特に木口周辺に凹み傷がつくかもしれません。今回はしなかったですが、強く締めるとか柔らかい素材の場合は板を間に挟むといいのかも。
その後、前板のスロート部分を空気漏れが起こらないように接着剤たっぷりで貼り付け、中の仕切り板類も完成後は見えませんし隙間あっても手直しできないので、接着剤超たっぷりで貼り付けます。最後に背板・底板・背底間の斜め板等を貼り付け、それこそ適宜旗金で固定しながら、板間に隙間が出来ないように貼り付けます。ずべて固定できたら、どうしても出来てしまった隙間に接着剤を流し込んで塞ぎ、板を斜めに取り付けざるを得なかった部分に接着剤と木工パテを重ね塗りして隙間を埋めます。最後に重り(今回も雑誌)を使って固定しました。
この日はここまでの作業で終わりにします。接着剤が実用強度まで固まるのに最低でも半日ほどはかかるので、仕事日でもあるので一昼夜放置しました。
接着だけで箱を作るには、接着時間をしっかり取らないと行けないので遅々として進まない感じがしますが、塗装仕上げをする場合、特に部材を活かした木目仕上げなどする場合は釘類を使えなので致し方ありません。ただ、店長の経験上、釘やビスを使って固定したほうが作業は楽ですし、不透明塗装仕上げをするつもりならネジ穴処理必須ですがネジ止めのほうがいいと思います。箱の角部分の仕上がりがぐっと良くなります。
次回は内部の密閉の確認と側板貼り付け、塗装準備です。