九州旅行

 Webマーケットの技術部長です。
 先日、九州に旅行してきました。学会展示の出張など以外で九州にゆっくりと旅行するのは、久しぶりでした。
 今回は、宮崎フェリーで宮崎港まで移動して、九州で2泊してきました。子供連れだったので、早めにフェリーの個室4人部屋を予約しました。やはり、雑魚寝よりはずいぶん快適でした。海も大変穏やかでした。
 今回の旅行では、青島、高千穂峡、臼杵石仏、別府地獄めぐりを回って、佐賀関から国道九四フェリーで三崎にわたり、松山道から山陽道を使って帰ってきました。四国の道路が本当に快適になっていました。九州からの帰路に四国経由など昔なら考えられなかったですね。九州は、昔バイクで1周したことがあるのですが、当時とはずいぶん変わっていました。

青島 鬼の洗濯板

 青島は、今回、初めて行ってきました。大変有名な観光地ですが、混雑した感じもなく、また青島神社は境内が小さいのに奥行きを感じる神社でした。ちょうど、保育園の子供たちが遠足に来ていました。地元に密着した場所なのでしょうね。

青島神社

青島の鬼の洗濯板は、遠くからみると洗濯板のようにみえるのですが、近づいてみるとちょっと変わった岩の連続になります。砂岩と泥岩が交互に積み重なってできた地層を波や風が侵食してできているのですが、この侵食過程はなかなかおもしろいものです。「日南海岸青島の「波状岩」の形成機構」という論文に詳しく記載されています(地理学評論, 48-1, 43-62(1975)(https://www.jstage.jst.go.jp/article/grj1925/48/1/48_1_43/_pdf)。

真名井の滝

 高千穂峡も有名な観光地です。特に、真名井の滝は有名ですね。ここでは典型的な柱状節理を見ることができます。ボートで真名井の滝の近くまで行けるようなのですが、今回は、増水のためボート観光はできませんでした。流れをみるととてもボートで上っていけるような状態の川ではありませんでした。ちなみに、高千穂峡は典型的なゴルジュです。ゴルジュとは、「切り立った崖に挟まれた峡谷」のことで、この高千穂峡のほかに黒部峡谷などが有名ですね。ところで、高千穂峡の柱状節理は少し変わっていて、阿蘇山の噴火による火砕流が堆積してできた溶結凝灰岩の柱状節理です。想像ですが、もともと幅の広い谷に火砕流が流れ込み谷を埋めてしまい、溶結凝灰岩ができる過程で幅の狭い侵食されやすいところができ節理が残るような形で侵食されて、現在のような美しく深い峡谷ができたのだと思われます。高千穂峡では、峡谷の上部は比較的平らな土地になっていて、そこに急峻で深い峡谷が刻まれているのも特徴的です。

臼杵石仏

 臼杵石仏は、以前行った時には、仏頭がおちていたりしたのですが、きれいに修復されていました。大変に優雅な石仏群です。保護のための建屋もできていてゆっくりと鑑賞することができました。記憶がはっきりしないのですが、以前にここに来た時には、建屋はなかったような気がします。資料を見てみると、平成6年に建て直しされたそうなので、以前も建物自体はあったのかもしれません。平成7年に国宝に指定されたそうです。以前は国指定特別史跡だったそうです。さて、この摩崖仏が刻まれている岩壁も、高千穂峡と同じく阿蘇山の噴火による溶結凝灰岩です。溶結凝灰岩は、通常の岩石に比べて軟らかいため加工しやすく、また、規模の大きい岩壁があったことからこの地域に摩崖仏が多くみられるのかもしれません。

龍巻地獄

坊主地獄

 別府は、いまさら・・というほど有名な観光地になっています。今回は、別府観光の後で帰路につく予定でしたので、地獄めぐりだけをしましたが、周辺には、多くの見どころがあるようです。別府地獄めぐりだけといっても、ゆっくり見て回ると3時間くらいはかかりました。
 別府地獄めぐりには、大学の研究室で来たことがあります。高度好熱菌という生物がいるのですが、これは、90度以上の温度でないと生きていけないという変わった生き物です。古細菌に分類されています。日本では、1968年に伊豆の温泉から Thermus thermophilus を大島泰郎先生が単離されています。私の所属していた研究室は、当時、古細菌の1種である高度好塩菌 (Halobacterium halobium) を研究していまして、高度好熱菌もやってみようかとなったのですが、この際だから新種をやってみたいということになりました。伊豆にもいるんだから別府にも何かいるんじゃないかということで、別府の地獄めぐりの温泉水などを採集して高度好熱菌の単離ができないか試してみたわけです。
 各地獄の管理者の方に目的を説明して、地獄のお湯や泥を柵の中に入って採集させていただきました。当時はかなりおおらかに許可していただけたように記憶しています。先に採集用の缶をつけた釣り道具を作って、地獄のお湯を投げ釣りの要領で採集していったのですが、それを見ていた観光客の方が興味津々で「何が釣れるのですか?」などと尋ねてこられました。好熱菌の説明をするのにちょっと苦労したのを覚えています。間欠泉である龍巻地獄での採集では「たまに早く噴出することがある」と管理者の方に言われて、かなり、びくびくしながら採集したのを覚えています。もちろん、ほぼ予定通りの噴出でした。写真は龍巻地獄が噴出しているところですが、高温のお湯がかかるところに緑色のものが見えると思います。龍巻地獄の噴出温度は105度で池の温度は80度だそうですから、その温度のお湯がかかっても生きていける生物がそこにいるわけです。恐らく、これらは耐熱性のラン藻類ではないかとおもいます。今回は採集していないので、確定的なことは言えませんが。ところで、その時に採集してきたお湯からは、耐熱性の菌やらん藻類はとれたのですが、目的としていた高度好熱菌は単離できませんでした。恐らく、採集から研究室までの移送の温度管理が不十分であったのだろうという結論になりました。

 私は、あまり、「観光地」を旅行することがないのですが、観光地にはやはり見ごたえのあるものが多く、「観光地」になるだけの理由がやはりあるのだなと思った次第です。では、また。

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