バックアップ
技術部長です。
前回のブログでは、開発環境内に構築したテスト用の仮想サーバーが破損したお話をさせていただきました。テスト用の仮想サーバーですから、サーバーに置くコンテンツ類はすべて開発環境にありますので、「壊れてしまったか」ぐらいの話で済ますことが出来ます。仮想サーバーは、ホスト側から見ると一つのファイルになります。このイメージファイルはバックアップしてありましたので、これを使えば、簡単に復旧することが出来たのですが、今回は、サーバー内の大掃除のためにあえて、バックアップを使わずシステム全体の再構築を行いました。もし、壊れたのが開発環境のホストマシン自体だったら、このような悠長なことは言っていられません。復旧できなければ、いろんな業務に障害が出てきてしまいます。パーソナルコンピュータ(PC)の機能は大変に進歩しています。以前であれば「基幹システム」でなければできなかったようなこともPCでできてしまいます。皆さんもいろんな業務をPCで行うようになってきていると思います。
さて、コンピュータは壊れるものです。その前提で様々な準備をしておく必要があります。私は仕事柄よくPCの修理や復旧の依頼を受けます。PCには故障しやすいパーツと故障しにくいパーツがあります。経験上ですが、一番壊れやすいのは電源だと思います。次がハードディスクです。電源は、交換するだけで修理完了です。しかし、ハードディスクが壊れたときは、大変です。ハードディスク自体は、簡単に入手できますし交換も簡単です。しかし、中に入っていたデータが一番重要です。そこで「バックアップ」が必須となるわけです。そのため、私は開発環境のマシン自体もシステム全体をイメージバックアップしています。イメージバックアップのためのソフトウェアにもいくつかあるのですが、私は Acronis Image Backup をつかっています。
コンピュータが動かなくなったとき、データバックアップがあるかどうか、イメージバックアップがあるかどうかで復旧作業が大きく変わります。最終的にシステムを復旧できるかどうかもそこにかかっています。それで、業務に使うPCのバックアップはいくつかのパターンで作成するようにしています。
例えば、ウェブマーケットのサーバーは仮想サーバーですが、個々のサーバーのイメージバックアップを作っています。また、ホストも同等のマシンを2台準備しています。万一、使用中のホストマシンが故障したときも、バックアップ用のマシンにデータディスクを移せば、すぐに復旧できるようになっています。切り替え自体は手動でするようにしています。また、仮想サーバーのディスクイメージだけではなく重要なデータは別途バックアップしています。
さて、これで準備は完璧でしょうか?実は、これだけでは、不十分です。使用中のサーバーもバックアップ用のサーバーもデータバックアップも同じ場所にあります。これは切り替えを素早く行うために必要です。しかし、サーバー室で火事がおきたり、台風などで漏水してすべてのマシンが失われてしまう可能性も考えておかなくてはなりません。「事業継続計画(BCP)」という言葉をお聞きになったことがあるかと思います。台風や地震などの災害で、事業資産への損害を最小限にとどめ、事業の継続あるいは早期の復旧ができるようにするための計画です。
事業にPCを使うことが増えてきていることから、PC関連の業務のBCPも必要です。その時、中核となるのは「データのバックアップ」です。PC自体はそれほど高価なものではなくなっています。しかし、「データ」はそうではありません。一方、データが絶対に壊れないようにすることはできません。そのため、データのバックアップは必須です。さらに、事業継続の観点からは「遠隔地に2つ以上のバックアップ」を準備しておくべきです。
次回は、遠隔地バックアップのことを書きたいと思います。
では、また