Ubuntu 3
技術部長です。
今回のブログもUbuntuでサーバーを構築するためのテストについてです。かなり、進んできて何とか移行できそうな気がしてきています。
前回のブログでは、紆余曲折はありながらも、ウェブサーバーのApache2とリモートデスクトップのためのVNC Server を導入できたところまで書きました。ウェブサーバーを正常に設置できなければ、サービスのかなりの部分が不可能になりますし、VNC Server がないとリモートメンテナンスができないので、サーバー維持のコストが格段に大きくなってしまいます。従って、この2つは、必須のものでした。
次に、必須になるのはデータベースシステムです。比較的規模が小さいデータをあつかうのであれば、SQLite というシステムが適しています。一般には、MySQLやその後継のMariaDBがよくつかわれています。
SQLiteのインストールは、Ubuntuのパッケージ管理システムであるapt を使って行うことができました。Ubuntu標準のSQLiteがインストールされますが、特に古すぎることもないので、問題はありませんでした。はじめて「簡単に」インストールが完了しました。
次にウェブで動的なサービスを行うためのシステムをインストールします。CGI (Common Gateway Interface)と呼ばれているものです。これを実現する方法にもいくつかあるのですが、我々は Ruby という言語を使っています。
Ruby のインストール方法は、大きく分けて3種類あります。1つ目は、Ruby のソースコードをダウンロードしてシステムに合わせて作成する方法です。これは、インストールの時にも面倒ですし、バージョンアップの時には、さらに面倒なことがおきます。CentOSでサーバーを最初に構築した時は、この方法でインストールしましたが、今回は、この方法はとらないことにしました。2つ目は、SQLiteと同様に apt を使う方法です。この方法は簡単ですし、バージョンのコントロールも楽です。しかし、インストールできるバージョンが2シリーズで、最新のものではありませんでした。
Rubyの公式アナウンスによると最新の安定板のバージョンは、3.0.2でした。いろいろと調べてみるとVer.3シリーズはVer.2シリーズより、かなり早くなっているとのことだったので、ここは是非とも、Ver.3.0.2を使いたいところです。
そこで、Rubyのインストール・バージョン管理のシステムである rbenv をつかって最新版のRubyをインストールすることにしました。CentOSでも、最近はこの方法でRubyのインストール・アップデートを行っています。また、インターネットにもrbenvをつかったRubyのインストールに関する情報はたくさんありますので、問題はないだろうとおもっていました。が、ここに落とし穴がありました。
rbenvによるRubyのインストールはCentOSのときもUbuntuの時もほとんど変わりはありませんでした。しかし、インストールされる場所が違っていました。Rubyは、ウェブサービスのCGIのために使う予定ですから、個人のエリアではなく、供用エリアにインストールしたいと考えていました。CentOSでは、最初から共用のエリアにインストールされました。しかし、Ubuntuでは、個人のエリアにインストールされてしまいました。個人のエリアを共用のエリアとして開放することもできるのですが、どうも気持ちが悪いところが残ります。やはり、供用のエリアに全体から利用できるようにインストールしたいです。このようなインストールを「システムワイド」にインストールすると言います。
ネットではほとんどがローカルに個人用としてインストールする方法の紹介だったのですが、システムワイドインストールの方法が紹介されているページをみつけて、なんとか目的を達することができました。rbenvを使ってRubyをインストールした後で、Rubyのユーザーグループを作ったり、apacheからRubyが使えるようにしたり、ウェブサービスのデータ格納のための場所を作ったりなどのこまごました作業をして、ウェブサービスができるようになりました。
我々がCentOSを使って行っているサービスには、DNSやメールシステムもあります。これらの設定についても調査・インストール・テストが必要です。また、Ubuntu 自体を使った仮想化システムも必要です。CentOSからUbuntuに移行できるまでには、もう少しかかりそうです。
では、また。