遠隔地バックアップ2

技術部長です。
 今回は、バックアップのお話の第3弾です。前回のブログでは、遠隔地バックアップの必要性について書かせていただきました。今回のブログでは、もう少し具体的な方法について書きたいと思います。
 遠隔地バックアップの目的は、事業継続のために必須なデータをより安全な場所におくことです。従って、バックアップ元の近くにおいては、意味がありません。しかし、そのバックアップが必要になったときは、本当に切実な状況なわけですから、なるべく早くデータを使えることが望ましいです。これらのバランスを考えて、バックアップ先を選定することになります。
 離れた場所に支社・支店があるならばそこに遠隔バックアップをとるのが理想的だと思います。但し、バックアップをとる仕組みを構築するだけではなく、その維持管理を行い、さらにバックアップからシステムをリストアできる人材・インフラの両方がそろっている必要があります。なかなか片手間でできるような作業ではありません。一方、バックアップシステムのセットアップ・維持管理さらには有事のリストアを外部業者に依頼することもできますが、オンサイトサービスとなるとかなり高額になると思います。また、通信やバックアップシステムのためのハードウェアなどのインフラに対する要求も大きいものです。バックアップ中は、他の業務のための通信を圧迫してしまう可能性もあります。
 支店・支社がない場合は、最近、よく耳にする「クラウド」にバックアップをとるのも有効な手段です。バックアップに特化したクラウドサービスを提供している業者もあります。業者によるバックアップサービスの中にすでに遠隔地バックアップが組み込まれている場合もあります。その場合は、2重の遠隔地バックアップということですからさらに安全です。ただ、このようなサービスは結構高価なことが多いです。たとえば、O社の行っているクラウドバックアップサービスの価格は、1TBの容量で初期費用8万円+月額3万5千円です。その代わり、バックアップ業務のうちのかなりの部分を業者任せにできます。また、多くの場合、別途料金になりますが、バックアップ対象についての相談も受け付けてくれます。その意味では、この価格はむしろ安価な部類かも知れません。
 適当なバックアップサーバーを置く場所はないけれども、自社内にバックアップシステムの構築・維持管理・リストアができる人材がいる場合は、遠隔地にバックアップ用のサーバーをレンタルするという手段をとることができます。自社の人材リソースを使う必要がある代わりにバックアップ用のクラウドサービスよりはかなり安価になります。例えばS社でバックアップ用に1TB程度の容量のレンタルサーバーを借りるときは、月額で1万2千円になります。これはサーバーをレンタルするだけですからバックアップ用のシステムの構築や維持管理・リストアは自分で行う必要があります。言い換えれば、業者のバックアップサービスに対する差額分の仕事を内部で行うということです。
 今回のブログでは、1TBの容量を例に挙げましたが、本当に遠隔地にとる必要があるデータを吟味して必要な容量を絞ることができれば、バックアップサービスやサーバーレンタルの費用を低く抑えることができます。
 バックアップはハードウェアだけの問題ではありません。むしろ、バックアップ対象の選定や自動化などソフトウェア関連が重要だと思います。そういう意味でも、コンサルテーションを受けるか、自社の人材教育を行うことが大切かもしれません。
では、また。

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