トランプ大統領の経済
アメリカ第47代大統領ドナルド・トランプ氏が就任直後に大統領令を利用して、最友好国のカナダからの輸入品に25%の関税をかける、アメリカの工場とも言えるメキシコからの輸入品にも25%の関税をかけることになって、アメリカの経済界が大反発、株価も大暴落しています。その時点では、この大暴落が一時的なものか、長く続くものなのか予測が付きません。ただ、アメリカ国内で食料とか自動車とかが高騰することが必至ですし、電子部品とか精密部品などの値段が上がったり、相手国が報復で輸出制限をしたりしたら、それこそアメリカ国内の工場は大打撃です。現に、カナダではアメリカ産の酒類を店頭から排除するとかの対抗手段が取られ始めたそうです。
トランプ大統領が権限を振り回したところで、経済は生き物ですので思惑通りに動くわけもなく、どうなるのか今の所見当がつきませんが、少なくとも盟友だと感じていたカナダ国民は一気に嫌米になったはずです。
と心配していたら、課税の実施を一ヶ月延期するとか言ってますね。商売の駆け引きでは、最初は過大な要求をして、少しづつ妥協をしながらもともとの目標の数字に持っていくのが常套手段です。買い物に行って、店員さんに「このセーター半値にしてよ。」とか言って、「それは流石に無理です。2割引きくらいなら。」とかの返事を期待するのが「ディール」です。ただ、昨今では「モンスタークレーマー」とか言われる可能性もあります。トランプさん一期目のときは周りの政治家が面食らって要求を飲んだでしょうが、二回目となると周りも賢くなってきています。それを察知したトランプさんは余計要求を釣り上げてきて、それを言われた各国首脳が「じゃ、輸出減っても構いません。報復処置として武器も買いません。」なんてことになる可能性も高いかもしれません。
同じ様に、グリーンランド自治区を売れとデンマークに言っているようですが、こればっかりは頭おかしいとしか言いようがないし、言うこと聞かなかったら経済制裁するとか言ってます。これでは軍事力で威嚇して領土侵略しているなんとかいう北方の国や、海の真ん中の岩礁を埋め立ててここは昔から我が国の固有の領土でここを守ることは我が国の確信的利益だ、国際法や裁判所の結果などただの紙切れだとか言って国連で拒否権乱発の国と同じです。オバマ元大統領がアメリカは世界の警察じゃない、やめると言っていましたが、もう、世界の警察なんて誰も思っていないし思えないでしょう。
昔、アメリカはパナマ運河をパナマ共和国に返還したんですが、運用の仕方が気に入らんし自国を優遇してくれないから返せ。子供の言い分です。情けない。
ガザ地区をアメリカが統治するとかこれも頭おかしいです。宗教的にも歴史的にも価値観が全く違うのに、アメリカの思想が正しいのですべてを任せて従うべきだと言っているわけです。これでは、どこかの国の「確信的利益、歴史的に見て我が国が世界を支配すべき」とかの話を否定するわけには行きません。なにかおかしいです。2回目の大統領になれて有頂天なのはわかりますが、他の候補よりましだと思われているだけで、目先の自国の利益だけ見ていては、結局輸入できないもの特に精密部品などの輸入ができない、虎の子の戦闘機などの武器を輸出できないことになるかも。現に最同盟国の日本が次世代戦闘機の開発をアメリカと協力しあわないとか、空母に必要なカタパルト(航空機打ち出し装置)をリニア技術を使って自国開発するなど影響が出始めています。
さて、これからの4年間、どういう世界になるのか。日本にとってチャンスなのか。軍事力なども含めて、日本という眠れる獅子を起こしかねないのかもしれません。第二次世界大戦まで日本はいわゆる列強国でしたから、潜在的覇権大国、潜在的核保有国になりかねませんし、特にアメリカは自国第一主義を貫くためには、日本など外国がそれぞれ自国の利益を優先しても文句は言えません。