自動車不正認証

 日産・三菱以外の日本の大手の自動車メーカーが軒並み「認証不正」で国土交通省の調査を受けています。その間は対象の車種は生産停止とか販売禁止とかになっている様です。

 はっきりした数字はわかりませんが、一説によると過去の車種も含めて500万台以上とかいわれています。この台数は、世界販売8位や9位のホンダとかFCA(アルファロメオ・フィアット・ジープ・アバルト)の年間販売台数に匹敵します。日本の国土交通省が不正だと認定している台数がです。衝突試験に国交省が指定する試験じゃなくて、もっと厳しい米国などの試験で出た数字を報告したとか、前方対人衝突試験を省いたとかで、国が決めた方法で出した数字でないと認められない、ということのようです。さすがに、テストの基準が違うというのは提出するメーカーはダメでしょうが、今まで見逃してきた国交省のほうも大きなことは言えないですよね。何年もチェックをしていなかったということです。また、明らかにアメリカやヨーロッパの基準のほうが厳しくてこれで兼用できそうなのに、激しいテストでも国交省が認めていないのでダメ、ということです。

 古くから運転している方ならご存じでしょうが、今では当たり前のドアミラー、1983年に規制が緩和されるまで使用が禁止されていました。見える角度とか面積などの基準を満たしているのにです。国はフェンダーミラーしか認められない、基準を満たしているとか関係ないと言い放っていたようです。その当時、スウェーデンのボルボが本国と同じようにドアミラーを採用していたら不認可されるのは何故なのか説明が欲しい、基準は満たしているのに何故だめなのか、と詰め寄ったみたいです。「ダメなものはダメ」なんて話が外国メーカーに通じるはずもなく、外交問題にも発展する勢いで詰め寄られたようです。北海道のどこかの球場が「ダメなものはダメ」とか言っているうちに自分のところがダメになりそうな話と理屈は同じですね。

 国が決めた基準やテスト方法は、たとえ厳しい海外の基準を満たしていても改めての試験実施とか守らなくてはならないし、再テストの結果もゆっくりした審査を経てやっと認めてあげてもいいとかいう感じでしょうか。

 難病に効くからなんとか早く認証してほしいと死にかけの患者が懇願しても、海外の承認試験は認められないので数年かけて再度試験をして有効とわかれば承認します。ということで認可までの間に亡くなった方も多いような話も聞いています。怖いですよね。

 今の時代、特に海外のメーカーの開発スピードは驚くほど速く、特に中国の開発・承認スピードは驚きます。そういうスピードに追いつくために必死に開発スピードを上げても、国交省の認定が遅くて結局諸外国のメーカーとの競争にまけるか、新しいものでも追いつかれてしまうようです。

 自動運転車のテストをどういう風にしたらいいのか、国と地方で理解の方法が違うような気もしますし、何が何でも100%安全でないといけないという理屈で、現場での実験を許さないとかいう話も聞くことがあります。物理的に動いている機械類は、100%安全なんてことあり得なくて、皆さんお使いの乾電池ですら水にぬれてしまうと発火爆発の危険性があります。道歩いて、ビルの工事中のボルトが落ちてくる(店長実際に目の前30㎝に落ちてきた経験があります。まじ危なかった)なんてこともあります。これだと、100%安全でないと工事を許可してはいけません。前にも書きましたが、文科省がJAXAの有人宇宙船の開発に許可を出さないのも人命がかかっているからとか聞いたことがあります。安全でないと実験もできないのでは、科学技術の進歩はありません。絶対にありません。日本の科学技術の後退はこういう点にあるのではないかと店長は思っています。武器輸出3原則もしかりです。まじで、次の戦争に耐えられるのでしょうか日本は。と飛躍した疑問を投げながら、今回のお話は終わりです。

 

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