少林寺拳法承継式と骨付きどり
Webマーケットの技術部長です。これからは「なるべく」毎週ブログを書くようにしようと思ってます。今回は、少林寺拳法の話題です。
少林寺拳法は、宗道臣開祖が中国各地を任務のため訪れたときに、中国拳法の各種の技法を習得し、自身の創意工夫を加えて、再編成し体系化した武術・護身術であることは以前のブログでお話ししたと思います。開祖が少林寺拳法を始められたのは、今から約70年前のことでした。1980年からは、第二世師家として宗由貴代表が少林寺拳法グループを約40年にわたって率いてきました。
今年の1月1日をもって宗由貴代表が退かれて宗昂馬氏が第三世師家に就任されました。その承継式に私が所属する道院の道院長が招かれたので、他の道院幹部の方々とともに本山に帰ってきたのでその時のお話をしたいと思います。
承継式は1月12日だったのですが、その前日に、新制度に基づく支部の認証式があり、私の師匠の道院長が出席することになっていたので、前日から四国・多度津に入りました。
私が本山に帰るのはこれが3回目だったのですが、今回はじめて「少林寺拳法記念館」を訪れることができました。通称「5畳半道場」とよばれていて、開祖が多度津町に最初に建てた自宅の一室を道場として少林寺拳法を始めたところです。6畳間の一角に半畳の祭壇を設け、残りの5畳半で少林寺拳法を指導されていました。
私の師匠は、この5畳半道場で直接開祖から拳法を伝えられた方なので、当時の指導の様子を聞くことができました。病院の待合のように道場の外で順番をまっていると、中から「わっ」とか「ぎゃっ」とかいう悲鳴が聞こえて、「次!」の声で体のあちこちをさすりながら出てくる人と交代に一人ずつ道場に入って技を伝授されていたそうです。残念ながら、今回は5畳半道場を見ることはできませんでしたが、少林寺拳法が始まった場所を見ることは、大変、感慨深いものでした。その後、1950年に隣接して60畳道場が建設されるまでは、この5畳半道場が使われていたそうです。現在の建物は、2015年に現在の位置に移設されたものだそうです。
11日には、表彰式と認証式が本山講堂で行われました。同伴者の私も講堂にはいることができました。少林寺拳法連盟の川島会長の挨拶があり、永年勤続の方と永年継続の道院・支部に対する表彰が行われました。永年勤続では最長の方は60周年だったと思います。残念ながら、ご本人は、会場にはいらっしゃいませんでしたが、少林寺拳法をはじめてからの期間ではなく、道院・支部を作られてからの期間ですから、大変な長さです。まさしく、開祖とともに少林寺拳法を作り育ててこられた方です。会場には、50周年の方が来られていました。それでも、相当なお年だと思うのですが、矍鑠とされていました。その後、認証式が行われ、代表者に対して認証状の授与が行われました。
さて、次は本山帰山の最大の楽しみである一鶴の骨付きどりです。骨付きどりは香川のうどんに並ぶ名物だとおもいますが、うどんほどは知られていないかもしれません。とりのもも肉をスパイシーな味付けをして焼いただけの単純な料理なのですが、実においしいです。ビールにこれほど合うものもないのではないでしょうか?香川丸亀に行かれることがあれば、是非、一鶴の骨付きどりを楽しんでみてください。ただ、一鶴はいつもとても混んでいますので、時間に余裕を見てください。
一鶴で道場の幹部会を行い、これから道院・スポーツ少年団をどのように発展させていくか、指導のポイントなどについて「酔っぱらう前に」話し合いました。「幹部会」ですから、当然、このような話を(も)します。各々の立場、段位をこえて忌憚のない話ができるので、いろいろと有意義な意見がだされてくるのがこの「幹部会」のいいところかなと思ってます。私が単に酒好きだということもありますが(^^;)
承継式は1月12日に本山の本堂で行われたのですが、私は、「同伴者」なので実際の承継式の会場である本堂には入れませんでした。ただ、前日、表彰式・認証式の行われた講堂のほうに入ることができました。講堂にはスクリーンが設置され、承継式を見ることができました。残念ながら、写真・ビデオの撮影は禁止でしたので、お見せすることはできませんが、なかなかに厳粛な雰囲気のものでした。
承継式は、全国から1500人の少林寺拳法指導者が見守る中、厳かにとりおこなわれ、第二世師家から法具の承継が行われました。その後、師家就任挨拶で、宗昂馬第三世師家が決意を述べられ、承継式が終了しました。
承継式に先立ち、一般拳士と本部指導者の2組の奉納演武がおこなわれました。一般拳士のほうは、准拳士初段と中拳士三段の親子によるものだったと思います。ひょっとしたら段位を聞き違えているかもしれません。先に書きましたが、指導者1500人が見ているわけですから、大変な緊張だったと思います。その後の本部指導者による奉納演武は、技の正確さ、切れ、冴えとも「さすが」と感じました。師匠にいわせると「まだまだ」だそうですが。
我々、同伴者は、承継式をスクリーン越しに見ているだけだったのですが、その後、本堂に入りきれなかった指導者や同伴者がいる講堂に宗昂馬第三世師家が来られて、あらためて挨拶と決意を述べられました。
こうして、第三世師家による新しい少林寺拳法のスタートが切られました。わたしは、入門自体は古いので、開祖、第二世師家が率いられた少林寺拳法を体験することができました。残念ながら開祖に直接お会いしたことはないのですが、開祖を遠くから見たことはあります。これだけでも、40代以下の拳士からは大変に羨まれることです。これから、第三世師家のもとで少林寺拳法がどのように発展していけるか、それに私自身がどのようにかかわっていけるのかを考えた本山帰山でした。
では、また。