ホーキング博士
英国のスティーブン・ホーキング博士が亡くなりました。皆様、一般ニュース報道でも上がっていましたのでご存知のことと思います。ALS(筋萎縮性側索硬化症)にかかり余命宣言を受けたにもかかわらずなんのその、それでも車椅子で元気に動き回り、コンピューターの合成言語で難しいことをさも簡単に話してしまう変な科学者というイメージでしょうか。
理論物理学というお硬いイメージの学問を専門に研究しておられた先生ですが、その素晴らしい専門性はもちろんですが、一般の方々に高度な理論を平易に解説する素晴らしい能力と言うか努力をされてこられました。たまにですが、テレビやネットで先生の講演会や大学での授業風景が出ることがありましたが、質問に対して独特の音程とイントネーションの合成音声で答えられているの、意味が多少わからなくてもその一途な対応に感動したものです。
実際にはブラックホールの特異点定理を発表し、アインシュタインの一般相対性理論が破綻する点があることを証明したり、量子重力論を提唱したり、とにかく、その出で立ちとはかけ離れた飛び抜けた理論をお持ちの先生でした。アメリカの人気ドラマ「スタートレックシリーズ」にも出演されていました。このシリーズの「ボイジャー」の最初の頃に「量子特異点」という言葉が出てきます。これも先生の研究の中で使われた言葉です。
難しい話を難しい顔で難しい言い回しでお話されると聞く気にも成りませんが、店長が幼い時期から(当然先生がまだ若く病気の進行もまだまだマシだった頃)後で考えると「難しい」という内容でも、引き込まれるような話し方に替えてお話してくださったの印象に残っています。少なくとも、この先生のおかげでSF好きに成ったのは間違いないです。
店長、このホーキング博士と科学雑誌ニュートンの創刊者のお一人、竹内均先生のお二人にメカトロ好きの能力を伸ばしてもらったような気がしています。幼少期にドライバーやペンチや金槌を弄くり回して、大事なラジオや時計を分解しているのを見逃してくれていた両親のおかげで理科系小僧に成り、お二人の先生のお話を聞いたり見たりして、理論解析にも目覚め、そしてこんな理屈っぽいおじさんになってしまったのでしょう。でも、感謝していますこのお二人には。