ダイハツ・ロッキー
友人がダイハツ・ロッキー(トヨタ・ライズはこれのOEM供給車)という小型SUVを買ったので、少しだけ試乗させてもらいました。
全長3,995mm 全幅 1,695mm 全高 1,620mm でDNGA思想で新開発されたシャシーとエンジンを含むシステムを満載した新型車です。店長が最も興味を惹かれたのは、996cc水冷直列3気筒12バルブDOHCインタークーラターボエンジンです。その昔、ダイハツはシャレードという直3の1,000CCエンジンを搭載した小型車を発売していたことが有ります。歳がわかりそうなくらい昔の話ですが、そのシャレードのバリエーションの中にデ・トマソ仕様とか、自動車用としては世界最小のディーゼルターボエンジンなどがラインアップされていて、ものすごくとんがった車でした。
今回、試乗させてもらうさい、運転席シートに座った瞬間、そのシャレードの座り心地を思い出しました。非常に良い塩梅に腰がサポートされていて、安心感が高いんです。小型車は運転姿勢を決めるのにシートをいろいろ触らないとフィットしないことが多いのですが、このロッキーは腰のホールド性が良いからなのか、ペダル位置の決定のためにシートを前後させるだけで安定した運転姿勢が取れました。
さて、試乗したのはFF2WDで出力は72kW(98PS)×140Nm(14.3kgm)です。数字的には非力な感じですが、ロックアップ機構付トルコン式CVT がうまく働いて、発進や加速も含めて必要十分どころか余力十分です。自動車雑誌やカーグラTVなどの車番組で絶賛される理由がわかります。本当によく走ります。短時間の試乗で速度は70km程度までしか試しませんでしたが、加速、タイヤ接地とダンピング、ロールなど全く不満はありません。実用範囲では、各メディアが絶賛している通りの印象です。そうだ、昔のシャレードと比較して決定的に違うのがハンドリングです。シャレードはFFの定説通り前輪のキレ角が少ないので回転半径が車体の割に大きく感じましたし、アクセルオン・オフでのアンダーステア・オーバーステア(所謂タックイン)の特性が出やすかったですが、このロッキーはそんな感じは全く無くて、最小回転半径も普通です。タイヤスリップが起きる雨の中などでは多少印象が変わるでしょうが、安全方向に振ったハンドリング特性が与えられているようです。
ご存知の通り、店長はスバル・レボーグ2.0STI に乗っています。動力性能もとんでもないもので、1.5Tの車体に300馬力、トルク40kgmのエンジンが積まれていて、シグナルグランプリとかワインディングロードでのコーナー攻めとか、高速道路でのクルージングや追い越しも含めてじゃじゃ馬と言っていいほどの高性能車と言えます。普段乗りがそんな車なのですが、このロッキーはあれこれ十分な感じです。車高があるので運転席から見た前景が見下ろす感じになるのと、急発進、急加速時の前後ピッチングがレボーグよりは多いので、タイヤ一転がりする間だけアクセル全開にしない精神バイアスが入るようで、とにかく自然に安全運転になるし、動き出してからの無理な操作にも問題なくついてくる、そんな車です。驚きました。絶賛です。