H3ロケットの打ち上がらず

 日本の次世代ロケットH3型の一号機打ち上げ(2023年2月17日、初回テスト兼用)がシステム異常で中断されました。何らかの原因でメインエンジン点火後、補助ブースターに点火できずに異常終了で「打ち上がらず」になってしまいました。

 Jaxaの記者会見場で一人の記者が執拗に「失敗ですよね、打ち上がらなかったんだから」と言うような質問を繰り返し、ネット上はもとよりテレビのコメンテータからもあまりに失礼な敬意のかけらもないと言う批判を受けています。今回は、打ち上がらなかったのですから「打ち上げは失敗」なのですが、異常時にはきちんとシステムを止めるという最も安全性に関わる部分がきちんと働いたということで、システム的には全く問題がなかったと言えると思います。初めての実地試験で失敗することはよくあることで、大型ロケットを持っている各国も何度も失敗を繰り返して安全性と信頼性を確保してきています。今回、搭載していた衛星は無事、ロケット本体も無事、打ち上げ施設も無事、迷惑かけたのは見物人とマスコミの記者や放映クルーだけです。

 店長は、所謂理科系男子で、社会人時代、ユティリティを含むプログラムはもとより、販売管理から経理管理、スケジュール管理などのために分析と標準化などの面倒な作業をしてきました。いくら解析しても、潜在的なエラーは残っていて、もぐらたたき状態ででも運用しながら対策を施すを繰り返して来ました。もちろん周りの協力と理解が不可欠ですが、完璧なことは事実上不可能です。学生時代はガスクロマトグラフィーをはじめとする機器分析や微小電流測定などの運用、最後は機器の開発まで行ってきました。

 これらの経験からいうと、今回はセンサーの問題でしょうか、補助ロケットへの点火シーケンスの敷居値が高すぎたのではないかと思います。それ故に、発射システム全体がエラーと判断して打ち上げを中止したのでしょう。立派にシステムとしては働いています。「打ち上がらず」でしたが、最も実施しにくい実地の打ち上げエラーをテストできたのです。

 昨今の新聞記者は読者受けを狙って、過激な言葉で、合わせて非常に無知にも関わらず自分が失敗だと思ったら失敗と糾弾し続けるようです。新聞が徐々に読者を失ってきていること、専門性を持ったネットニュースが頼りにされるようになるのは当然です。

 店長、ただただ自分の価値観を押し付けてくる人とは付き合わないようにしています。今回の記者も科学的な知識がないのかどうか、ハードの開発、ソフトの開発、それを融合させた場合の想定できていなかったエラーの克服などとんでもない苦労を全く知らないというか「無知蒙昧」と言われても仕方ないでしょう。

 大手新聞社の記事にも「失敗か、JAXAは失敗とは認めない」とか書いてありましたが悪意があります。こんなこと言っているから理科系を目指す学生が増えないし、すぐに海外へ頭脳流出してしまいます。ほんとに、情けない新聞社、記者です。

 もう一つ「日本学術会議」のメンバーを国が認めないとかごちゃごちゃ言ってますが、アカデミックな成果は武器のための開発ではないので、国防のためにも使うことは拒否する、と立派なお題目ですが、そう言ってる尻から中国へ渡りその研究成果を使ってハード的な武器からソフト的な武器まで作るのに協力しているのですから、政府が怒るもの無理ありません。したり顔の会議の役員さんが記者会見を行っていましたが、彼らの言い分を聞いていいると野菜の生産性を上げると、戦地での食料供給が楽になるので協力できない、とか言いそうです。まず、それこそ国民の前で質疑応答を行って、本当に国を救うため、国を発展させ得るため、国民を助け豊かにする為の学術会議かを検証すべきです。時代錯誤も甚だしいし、エゴが過ぎます。子供用の子犬の電動玩具の部品で自爆用のドローンができますから、これも武器なんでしょうか。

今週は、ぼやき記事でした。

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