【2005春夏大阪コレクションの特色】
(1)これまでの実績と今後の展望
 「世界で活躍できるファッションデザイナーの発掘・育成」を目的に、大阪の行政と経済界が協力して1987年から開催してきた大阪コレクションは、これまで蓄積してきたデザイナー育成とビジネス展開のノウハウを活かし、関西のファッション産業振興のため努力を続け、いま、貴重な「大阪ブランド」との位置付けを確立した。関西のファッション産業は、未だ低迷から復調したとは言えないが、その中でなお、大コレ出身のデザイナーが海外市場に進出したり、産業界とのタイアップによりデザイン企画に参加するなど活躍を続けており、底力のある事業としての評価を得ている。
(2)国際交流
 '89年以来、韓国デザイナーを継続的に招聘、また、大阪コレクションメンバーの若手が韓国のソウル・大邱でコレクションを行うなど、ファッションを通じて韓国との友好関係を図ってきた。そして、'97年からは香港・中国・オーストラリアからの参加など、「大阪をアジアのファッション情報発信基地に」という大阪コレクションの趣旨に鑑み、アジアの国々とのファッションを通じた交流に努めてきた。
 一方、'92年からヨーロッパで活動する将来有望な若手を招聘、大コレ参加をきっかけに本国で活躍を始めた若手も次々生まれ、大コレは現地でも高く評価されている。このような実績を踏まえ、さらに、日本の消費者に海外のコレクションに触れる機会を引き続き提供するためにも、韓国・英国から実力のある若手を招聘する。
(3)新たな試み:シンポジウムの実施
 「ショーで見るだけでは素材やデザインコンセプトなどの細部まで理解しにくい」という来場者からの意見や要望が多いこと、また、大阪コレクションをさらに広く周知するとともに、ファッション情報の発信力を強化するため、初めての試みとして、ショーの翌日、3団体との協力によりシンポジウムを開催。
 「Part 1」では、一般消費者を対象に「ファッション・デザイン&ビジネス、夢いっぱい」と題し、ファッションの現場に関わるパネリストが議論を展開、「Part2」では、撰壇塾との共催により、ビジネスマン、文化人、一般消費者を対象に、関西経済の活性化に貢献する大阪ファッションのブランド力などについてコシノヒロコさんが講演する。
 なお、大コレ誕生のきっかけとなった「コシノ3姉妹ファッションショー」が、1985年、御堂筋の「南御堂灘波別院」の境内で開催されたこと(当HP『大阪コレクション物語』参照)から、今回、御堂筋まちづくりネットワークの協力を得て、御堂筋に面するアクセスホールを会場とすることとなった。
(4)大阪コレクション ホームページについて
 大コレHPは、多くのファッションサイトに「日本の2大コレクションの1つ」として登録され、HPを通じて新人ジョイントステージに応募するケースも増加している。また、掲載中の『大阪コレクション物語』(故折目允亮実行委員著)に感動した北海道の読者が、この6月初旬、大コレを手本に「旭川コレクション」を企画し、実施するに至った事例も生まれた(同コレクションには、大阪コレクション開催委員会が特別後援)。 当委員会では今後もHPを充実させ、重要な広報ツールの1つとして大阪からのファッション情報発信に活かしていく。