■忘年の交わり
 年の差を越えた友人関係を胸に
樽床 伸二 衆議院議員

 関西の復権を目指し、ジャーナリストとして、また折目氏個人としての、まさに八面六臂の活躍を思うとき、折目允亮の死は、誠に残念でなりません。

 私が、最初に折目さんと出会ったのは今から16年前、私が故・近藤駒太郎大商副会頭秘書をしているときでした。その後、私の衆議院総選挙初出馬(平成2年)の折には、折目さんとしては初めての選挙支援活動をしていただきました。結果は、私の力不足のゆえ落選でした。

 3年半の浪人中にも強い励ましをいただき、『関西ジャーナル』の紙面にも私の記事が掲載されました。そして初当選からの10年間には様々なご厚情をいただき、特にここ数年、私の新年のスタートは折目さんと盃を重ねるところから始まるといった状況でした。

 政界とはほとんど交流を持たなかった折目さんでしたが、酔うと「若い時に、政治家になろうと考えたことがあった」という意外な言葉が何度も出てきました。「お前は苦労人だから付き合っているんだ」という表現には、折目さんの温かい愛情を常に感じてきました。

 その折目さんからの文章として残る最後のメッセージは『素顔の紳士録』(写真・生原良幸、文・折目允亮)の一文です。この写真集は、大阪の財界、文化界などで活躍している人物を、折目さんが選定して編集したものであり、私は唯一の政治家、最年少のモデルとして登場しました。

 私は、その

 「忘年の交わり(忘年交)という言葉がある。年の差を越えて交わる良き人間関係と言えるだろうか。そして、私にとって彼は、一回り以上の年齢差を越えて交わり、そして尊敬する友人の一人である」

 「その心ある限り、いつの日にか…中略…彼の政治目標が実現する日が来るだろう」

等の一文を、折目さんの遺言として胸に刻んでいきたい。

 いつまでも厳しく見守っていただきたいと御霊にお願いいたします。
 
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