【番外編】
■社長、ありがとうございました
田中宏亮 関西ジャーナル社

 思い出されるのは、昨年(2002年)4月の入社面接のこと。その半年前、無職だった私が関西ジャーナル宛に送っていたメールを残してくださっていたのがこの面接のきっかけとなり、そのまま採用の運びに。ほとんどの出版社で未経験を理由に断られてきた私は、驚きを隠せませんでした。

 しかし折目社長は、私を採用してくださった理由を明確に述べてくださいました。
 「積極的にわが社にアクセスしてきてくれた君の姿勢を、私は縁だと思った。若い君は古臭いと思うかもしれないがね」

 この言葉を聞いたとき、私はこの出会いに感謝しました。何故なら私自身、「ご縁のある会社が必ずどこかにある。そこと出会うまで(就職活動を)続ければいい」と思っていた人間だったからです。

 折目社長とは約10ヶ月間しかご一緒することはできませんでしたが、私は社長の最後の10ヶ月間にお付き合いさせていただけたのだと思っています。それほど折目社長は、私の中で存在感の大きい方でした。

 約1年間、おっちょこちょいな私は折目社長に毎日のように怒られ、そしていろんなことを教わりました。原稿の書き方や仕事面はもちろん、人生に関するすべての面で。中でも社長が口を酸っぱくして私に説いたのは、「出会いを大切にする心を養え」ということでした。

まだ27歳、長い人生が待ち受けていますが、社長との出会いを尊び、その教えを自らの糧としてこの先を生きていきたいと思います。

 折目社長、短い間でしたが本当にありがとうございました。そして、お疲れ様でした。

岡田百合恵  関西ジャーナル社

 私が折目社長と初めてお会いしてから1年にも満たない。だが、年数でははかり知れないほど折目社長から頂いたものは、深く、大きい…。

 人を魅了する、輝くばかりの笑顔と、含蓄のある言葉。その『言葉』の一つひとつが、それぞれの人間の受け止め方次第でいかようにも拡がりや深みを見せるのだという大切なこともお教えくださった。

 人の心は目には見えない。だからこそ、思慮深く接し、なおかつ忍耐強く鍛えてゆかねばならない。その心の代弁者が『言葉』という、目には見えない『もの』になってゆくのなら、なおさらのこと…。

 折目社長の言葉には全て、相手の心に直接語りかける『何か』があった。
 それは『折目允亮』という存在に出会えた幸福を知るものにのみ分かるのだろう。

 関西ジャーナル社は閉じるのでは決してない。
 折目社長の心や言葉、その全てを大切に仕舞うのだ。
 時という名の宝箱へ…。
 
戻る